宇宙を知るAbout Physics

ビックスを解剖する

ヒッグス場って何?

真空は、いろいろな可能性を秘めています。光の性質を持てたり、電子の性質を持てたりするので、真空は「場」とも呼ばれています。
たとえば真空が電子の性質を持つには、エネルギーが必要です。
エネルギーがゼロだと、真空は電子の性質を持つことはできません。
真空のエネルギーがある一定以上になると、真空の電子としての性質が粒・電子となって現れます。
他の素粒子も同じように、エネルギーを与えると粒子となって現れます。

電子の性質を持てたりするので、真空

ところが、今話題のヒッグス粒子とヒッグス場はちょっと異なっています。
真空のエネルギーがゼロであっても真空はヒッグス粒子の性質を持っているのです。真空は、なにもしなくてもうっすらとヒッグス色をしています。しかし、ヒッグス粒子がそこにあるわけではありません。ヒッグス粒子の質量はとても大きいので、真空にそれ相応のエネルギーを与えないとヒッグス粒子にはなれないのです。

相応のエネルギーを与えないとヒッグス粒子にはなれない

エネルギーがなくても、真空はヒッグス粒子の性質を持つ。なぜ、そのような特別な「場」を考えたのかというと、物理学者にとって都合がよいからです。
それは、弱い力が説明しやすくなるという事なのですが…

うっすらヒッグス色の付いた真空が広がっていると、ウィークボソンw君とウィークボソンz君に重さ(質量)があっても、全ての計算がうまくいくのです。

このように科学者により都合よく導入された、真空の持つヒッグス場の性質。ところが、この都合のよい「場」によって計算された値は、弱い力の素粒子の質量自体を精密に予測したり、様々な素粒子の反応の確率を99.9%の整合性で予測するなどの大成功を修めることができたのです。その理論こそが「標準理論」です。

ヒックスくん

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