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日本の素粒子物理学
日本は世界が認める素粒子物理学と加速器技術の大国です。
日本はこれまでに、素粒子物理学の研究で湯川秀樹氏、朝永振一郎氏、小柴昌俊氏といったノーベル賞受賞者を輩出してきています。最近では、2008年の南部陽一郎氏、益川敏英氏、小林誠氏の3氏と、2015年の梶田隆章氏のノーベル賞受賞も記憶に新しいことでしょう。
茨城県つくば市にあるKEKB加速器は世界で最も密度の高い電子ビームを作りました。そして、その実験結果は2018年の益川・小林両氏のノーベル賞受賞に貢献しました。兵庫県にあるSpring8は輝度・エネルギー・指向性などの点で世界最高の放射光を発生することができます。さらに2009年に稼動を開始した茨城県東海村のJ-PARCでは、世界で最も密度の高い陽子ビームを作るべく現在調整中です。
このように日本は、素粒子物理学と加速器技術の分野において世界で第一級の成果を出し続けているのです。
日本の素粒子物理学に貢献した科学者
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長岡半太郎
1904年、太陽系のように中心に正電荷をもつ核がありその周りを負電荷をもつ電子が惑星のように回っているという原子模型[長岡模型]を提唱しました。
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仁科芳雄
日本に量子力学の拠点を作ることに尽くし、宇宙線関係、加速器関係の研究で業績をあげました。日本の現代物理学の父と言われています。
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湯川秀樹
力が素粒子によって媒介されるとした中間子理論を提唱し、その後の素粒子物理学の方向を定めた功績によって、1949年ノーベル物理学賞を受賞しました。
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朝永振一郎
1965年、超多時間論をもとにくりこみ理論の手法を発明し量子電磁力学の発展に寄与した功績によってノーベル物理学賞を受賞しました。
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坂田昌一
湯川秀樹、朝永振一郎とともに日本の素粒子物理学をリードしました。
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南部陽一郎
素粒子の理論に「自発的対称性の破れ」導入。新しい真空の概念を提唱した功績により、2008年にノーベル物理学賞を受賞しました。
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小柴昌俊
神岡鉱山内に、カミオカンデ検出器を設置。超新星爆発によるニュートリノを観測し、ニュートリノ天文学を創始したことで、2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。
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益川敏英
クォークにおけるCPの対称性の破れの問題を解決するために、6つ以上のクォークが存在することを予測。小林博士とともに、2008年にノーベル物理学賞を受賞しました。
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小林誠
益川博士とともに、6つ以上のクォークの存在を予測。その理論は、高エネルギー加速器研究機構での実験で実証され、2008年にノーベル物理学賞を受賞しました。
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梶田隆章
スーパーカミオカンデ検出器によるニュートリノ振動の発見により、2015年にアーサー・B・マクドナルドと共にノーベル物理学賞を受賞しました。
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