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ChatGPT(生成系AI)を使ってみました

近年の人工知能(AI)の進化には目を見張るものがあります。そのなかでも特に注目を集めているのが「生成系AI」と呼ばれるものです。皆さんもChatGPTという言葉をお聞きになったことがあるのではないでしょうか?これは2022年11月30日に公開され、驚異的なスピードで利用者が1億人を突破した話題の生成系AIです。生成系AIとは、テキストや画像などを「生成」するAIのことです。例えば右の絵はBing Image Creatorという画像生成AIを使って生成したものです。生成系AIに入力する指示のことを「プロンプト」と言いますが、この絵の生成に使ったプロンプトは、「A scientist’s image of the birth of the Universe a la Pierre Renoir」です。このような短い文章を入力するだけで、AIが絵をつくってくれます。文章の生成では、人間が書いたような自然な文章を生成することができます。

画像生成AIの一つBing Image Creatorで作成した絵。

“A scientist’s image of the birth of the Universe a la Pierre Renoir”

大学でも生成系AIの教育や研究へ影響や活用方法が大きな議論になっています。一方で「ChatGPTという言葉は聞いたことがあるがどのようなものかは知らない。使ったことはない。」という方が多いのも事実のようです。皆さんはいかがでしょうか。そこで今回は生成系AIを紹介する例として、コラムをChatGPTに書かせてみました。さてどうなるでしょうか?

 

以下では、●で示した青文字がChatGPTに入力したプロンプト。その後の「」で囲んだ部分がChatGPTの出力です。ChatGPTの出力はそれをそのままコピペしています。私は全く手を加えていません。

 

● あなたは、広報担当者でありサイエンスコミュニケーションを得意としています。理解できたら「Yes」と答えて下さい

 

「Yes」

 

● ChatGPTなどの生成系AIを、生成系AIにまだなじみがない人向けに紹介するコラムを書いてください。基礎科学の広報の広報戦略作成における生成系AIの活用を例に、最近のトレンドも含めて執筆してください。1000文字程度で書いてください

 

「AI(人工知能)は現代社会における中心的なテクノロジーとなっていますが、中でも特に注目を集めているのが「生成系AI」です。ChatGPTはその一例で、人間と自然な会話が可能なAIとして、広報戦略など様々な場面での利用が見込まれています。

生成系AIとは何か、まず基本から説明しましょう。これは人間が作成したデータを学習し、それに基づいて新たなデータを自動的に生成するAIのことを指します。例えば、ChatGPTは大量のテキストデータを学習し、それを基に新しい文章を作り出します。そのため、ユーザーが質問を投げかけると、それに対する適切な回答を自動生成します。

基礎科学の広報戦略における生成系AIの活用は、科学の理解と興味を広める新たな道を開く可能性を秘めています。科学的な情報は専門的で難解なことが多く、一般の人々にとって理解しにくいものです。しかし、生成系AIを利用すれば、専門的な情報を一般向けに分かりやすく説明したり、質問に対して即座に答えを提供することが可能になります。

例えば、基礎科学に関する最新の研究結果や理論をChatGPTに学習させれば、それについての一般向けの説明やQ&Aが生成できます。これにより、一般の人々が科学についてより深く学ぶ機会が増え、広報戦略の一環として非常に有用です。

最近のトレンドとしては、生成系AIが多言語対応を強化していることが挙げられます。これにより、さまざまな言語で科学の情報を提供することが可能になり、より多くの人々に科学に対する理解と興味を広げることが期待されています。

生成系AIはまだ発展途上の技術ですが、そのポテンシャルは計り知れません。これからもその進化に注目しつつ、最適な活用法を模索していくことが求められます。」

 

● では、国際リニアコライダーについての広報戦略を策定してください。

 

「国際リニアコライダー(International Linear Collider: ILC)は、次世代の大型加速器として全世界からの注目を集めています。以下、その広報戦略を提案します。

  1. ストーリーテリング: ILCの目指す物理学的な探求、人類の知識拡大に対する貢献など、ILCの”ストーリー”を訴求します。そのストーリーを伝えるために、難解な物理学的な内容を分かりやすく解説する生成系AI(例:ChatGPT)を活用します。
  2. インタラクティブなコンテンツの提供: 生成系AIを用いて、視覚的な教材やインタラクティブな体験を提供します。例えば、ユーザーが質問を入力すれば、それに対する詳細な解説を生成するなど。
  3. SNSとの連携: Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSを活用し、ILCの最新情報や魅力を広く伝えます。生成系AIはこれらのプラットフォームでの自動投稿にも活用可能です。
  4. 教育機関との協力: 学校や大学と協力し、若い世代に対する理科教育の一環としてILCについての情報を提供します。教材作成にも生成系AIを活用し、学生が疑問を持ったときに直接解答を得られるようにします。
  5. マルチリンガル対応: ILCは国際プロジェクトであるため、多言語対応は不可欠です。生成系AIを活用すれば、多言語による情報提供が可能になります。
  6. メディアパートナーシップ: 科学に関心を持つ一般の人々が集まるメディアとパートナーシップを結び、ILCについての情報をより広範に伝えます。
  7. オープンデイとイベント: プロジェクトの進行状況を一般公開するオープンデイや、科学者が一般の人々と直接交流できるイベントを企画します。

これらの戦略を通じて、ILCと基礎科学への理解と関心を広げ、その重要性と魅力を伝えることが可能となります。」

 

いかがでしたか? たとえば後半の部分、私はInternational Linear ColliderやILCという単語をプロンプトに入れてないのに、ChatGPTはそれを回答に使っています。1~7の箇条書きもChatGPTが自動的にこのように表現しました。ChatGPTはその名前が示すようにチャットをするAIです。チャットを続けるともっともっと具体的な広報戦略が策定できそうです。

 

少しでも生成系AIが話題になる理由実感していただけたでしょうか。生成系AIはよくCopilot(副操縦士)と形容されます。これをどのように活用するのか? できるのか? 1年後2年後にはどこまで能力が向上するのだろう? 私はその動向から目が離せないと思うのですが皆さんはどう思われますか。

高橋 徹

広島大学

[1] https://www.bing.com/create

[2] 有料版(GPT-4)を使っています。

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