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「科学に夢中」への御招待 -KEKキャラバンプロジェクト-   KEK ・ 藤本 順平

高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、この春より「KEKキャラバン」というプロジェクトを立ち上げています。このプロジェクトはKEKの鈴木機構長が年頭挨拶の中で強調した「— もっと国民に接近し、草の根的な努力が重要であると考えます。全国津々浦々への出前授業、4機構及び総研大で年数回各地で講演会の開催、KEKに関する本の出版等に全力を尽くすつもりです。—」との表明を実現する取組のひとつとして始まりました。このキャラバンは、いわゆる出前授業です。しかし、ちょっと他と違うところは、基本はKEK職員全員が母校(中学校と高校)に戻り、KEKを伝えるということを目標にしている点です。KEKの職員は約700名いますので、原理的に日本全国の1400か所にKEKを伝えることができる勘定になります。

 

とはいえ、KEK全職員が全国に展開していくには、それなりの仕組みが必要です。例えば、いかにして中・高の授業カリキュラムに加えていただくのか。教育現場はカリキュラムに縛られているので、こちらから「出前授業」をさせてくださいと申し出ても、なかなか受け入れてもらえる余地がありません。そこで、既に出前授業のネットワークを形成している教育大学や全国に付属高校を有する大学、出前授業を行っているベンチャー企業などとの提携も進めています。

 

出前授業の内容の充実もキーポイントです。モデル資料を何パターンも用意し、それらを組み合わせることで,KEKで「科学に夢中」になっている職員の姿を伝え、KEKを知っていただく授業の提供ができるように準備をしています。そのモデル資料の準備をしている時に面白いことに気がつきました。

 

KEKの敷地は東京ディズニーリゾート(ディズニーランドとディズニーシーを足した施設)とほぼ同じ敷地面積だったのです。KEKの規模の大きさを実感していただく授業の導入に使っています。

 

「KEKキャラバン」というタイトルは機構内で行った募集から決まりました。応募の中には「ちわ~、加速器です」や「押し売り授業」と言った案もありました。KEKキャラバンの目的は全国津々浦々にKEKを知っていただくことです。うかがう先は職員の母校とは限りません。これまでにも、サイエンスカエフェや、科学博物館への出前授業も行っております。企業の皆さまへの出前授業も承ります。会社の他の部署の方々に「加速器とは何か」を伝えたい。 あるいは、「加速器が現代科学に果たす役割を知ってもらいたい。」 そのようなご要望があればぜひ、KEKキャラバンプロジェクトをご利用ください。KEKの職員が会社にうかがいます。詳しくは http://caravan.kek.jp/ をご覧ください。

 

お伝えします、科学に夢中。

 

KEK・藤本順平

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