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震災によせて「今私たちにできること」   コラム編集局長  高橋 徹

未曾有の大震災によって犠牲になられた方々のご冥福をお祈り致しますと共に,被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。何度考えてもこれ以上の言葉が出てきません。また,本協議会に加入されている企業や研究機関の皆様の中にも多大な影響がありました。一日も早い復旧を祈るばかりです。

 

今回の震災では,自然の猛威の前に私たちの科学技術の未熟さを思い知らされました。同時に,科学技術に関する日常の広報活動や,緊急時の情報伝達の重要性を改めて痛感することとなりました。関東地方の電力不足に際し,周波数の違いによって西日本から十分な送電できない事実を目の当たりにして,明治初年のこととはいえ十分な計画性が無かったことを残念に思うと同時に,将来を見据えた展望の重要性を実感します。

しかし,悲観することばかりではありません。あるニュース番組で解説者の方が指摘されていました。地震発生時に東北,上越,関東地方では100本近くの新幹線が走っていました。中には時速300km近くで走っていた車両も少なからずあったと思います。そのすべてを大きな問題を起こすことなく無事に停止させた技術は驚嘆に値します。その他多くの場所で地震に対する日頃の備えが役だった場面があったと思います。

現在の状況を考えた時,人々の安全,ライフラインの復旧,社会活動の復興が最優先であることはいうまでもありません。でも少し長い時間で考えた時,日々の復興を支えていくためにはできる限り日常の活動を行うことが重要であると思います。

本コラムは先端加速器科学技術の広報活動の一環として,広い範囲の話題を提供することによって,多くの方に本協議会の活動に興味をもっていただくことを目的として連載して参りました。コラムを続けることも「今私たちにできること」と考え,次回からはできる限り,以前と同じように明るい話題を提供していきたいと思います。

皆様のご理解とご支援をいただければ幸いに存じます。

 

2011年4月1日

高橋 徹

コラム編集局長

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