ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2018年04月19日

ILC発信へ「ラボ」開設 県、盛岡に実験装置展示

岩手日報

県は18日、盛岡市北飯岡の県先端科学技術研究センター内に国際リニアコライダー(ILC)の情報発信拠点となる岩手ILC連携室オープンラボを開設した。ILCの中核実験装置クライオモジュールの実物を展示。加速器関連技術の研究開発や県民の学びの場として活用する。

現地で開設式を行い、自治体や企業の関係者ら約30人が出席。千葉茂樹副知事と、装置を提供した茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の吉岡正和名誉教授が除幕し、開設を祝った。

ILCは素粒子の電子と陽電子を衝突させ、新たな物質の存在や動きを調べる実験装置。クライオモジュールは素粒子を加速する超電導加速空洞や冷却管を収める円筒状の容器で、ILCに用いるもの(1台の長さ約12メートル)の半分の装置を設置した。

ラボの見学、利用希望者は1週間前までにいわて産業振興センターものづくり振興部に申し込む。問い合わせは同部(019・631・3825)へ。

<直言 県民の利用促す工夫必要>

県が18日、盛岡市に開設したオープンラボは、1カ所で国際リニアコライダー(ILC)の多面的な学習ができる施設だ。しかし見学や利用には1週間前の申し込みが必要で、一般の使い勝手は良くない。果たしてどれほどの県民が足を運ぶのか疑問を抱いた。

ILCの誘致実現には県民の理解と協力が不可欠。既にILCに関心がある人はラボにも興味を持つだろうが、「オール岩手」での誘致実現にはILCを知らない、関心が低い人たちをどれだけ巻き込み、「応援団」にできるかが鍵だ。

しかし、ラボがある県先端科学技術研究センターはJR盛岡駅から車で約10分。企業や研究者には知られているが、一般県民の認知度は低く、事前申し込みの心理的ハードルも高い。

展示品の中には貸与品もあり、破損などのトラブルを避けるため常時開放できない事情は理解できるが、本物のクライオモジュールなどの展示は見ているだけで好奇心と想像力を刺激される。利用環境が壁となり、一部の利用にとどまるのは本当にもったいない。

ラボがILCについて「誰もが学習・研究できる開かれた施設」であるためには、もっと多くの県民が気軽に立ち寄って見学できる環境の整備が必要だ。

ILC誘致は今年が「正念場」。誘致実現に向け、県の一層のリーダーシップと創意工夫を期待したい。