ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2017年05月08日

国際リニアコライダー、次世代加速器の進まぬ建設

SankeiBiz

生物や星を形作っている物質が、何でできているかを細かく分けていくと、原子、原子核と小さくなり、最後にはこれ以上分けられない最小単位「素粒子」になる。20世紀には、素粒子を探索するための加速器が世界で建設され、研究は大きく進んだ。

加速器は1930年代に発展。欧州合同原子核研究所(CERN)や米ブルックヘブン国立研究所などで建設され、新たな素粒子が次々と発見された。20世紀後半からは医療用の加速器も登場し、放射線治療装置や陽電子放射断層撮影装置(PET)として実用化されている。

日本では太平洋戦争後、当時世界最大級だった理化学研究所の加速器が連合国軍総司令部(GHQ)に破壊されるなど、停滞した時期もあった。その後、研究環境は改善され、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)のチームは90年代に完成した1周3キロの円形加速器で小林誠氏、益川敏英氏の素粒子理論の正しさを証明。両氏のノーベル物理学賞受賞を後押しした。

現在、最も高いエネルギーを出せる加速器LHCはヒッグス粒子を発見するなど大きな成果を上げたが、今後も新たな素粒子を見つけられるかどうかは分からない。

そこで、国内外の研究者が早期の建設を求めているのが、精密な測定が得意な次世代大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」だ。研究者らは2013年、岩手、宮城両県にまたがる北上山地を候補地に選んだが、費用分担など不確定要素も多く、計画が実現するか見通せない。