ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2016年08月25日

高度製造技術を解説 ILC 県立大 産学官集いセミナー

岩手日日新聞

いわて加速器関連産業研究会、いわて産業振興センター主催のILC技術セミナーは24日、滝沢市の県立大滝沢キャンパスで開かれた。加速器関連産業への参入を目指す企業などに加速器の技術に触れてもらおうと開催したもので、県内外から参加した産学官関係者が国際リニアコライダー(ILC)の最重要装置である超伝導加速空洞の技術などに理解を深め、参入の可能性を探った。

県内外の企業をはじめ大学や行政機関、団体などから約150人が参加。高エネルギー加速器研究機構(KEK)、先端加速器科学技術推進協議会(AAA)の講師が超伝導加速空洞の製造技術や性能測定、AAAの活動について講演した。

KEKの佐伯学行准教授は「超伝導加速空洞の製造技術、表面処理技術」について講演し、高価なレアメタルのニオブを素材に生産する超伝導加速空洞の製造工程や方法、使用装置、化学研磨や電解研磨による表面処理技術などについて解説した。

ILCのために生産する超伝導加速空洞は約1万7000台が必要になるという。佐伯准教授は「今は9割の歩留まりを確保しようと考えているが、これが5割になるとこの部分の値段が倍になりたちまち計画が破綻する。非常に難しい技術だが、一つのミスも許されない」と高度な技術が不可欠なことを指摘。

膨大なコストが掛かる超伝導加速空洞の表面処理技術についても説明し、「懸命にコストダウンの努力をしているが、こうした処理を1万7000台に行うことで初めてILCができる。逆に言えばこれをやり遂げた後にはいろんな技術が手中に残るということ。ILCが実現すれば、こうした産業を手掛かりにしてさらにハイテクの産業に参入することも可能になると思う」と述べた。

KEKの早野仁司教授は「超伝導加速空洞の性能測定とクライオモジュール組立に必要な技術」をテーマに講演し、周波数調整や電解性能測定などについて解説した。

同研究会は加速器関連産業に関わる産学官の交流や連携の場を創出、県内企業の技術力向上や取引機会の拡大を推進し、加速器関連産業の集積を促進することを目的に2015年度設立された。