ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2016年06月12日

実現後の展望語る ILC 水沢でシンポ 首長ら意見交換

いわてILC加速器科学推進会議(亀卦川富夫代表幹事)主催の国際リニアコライダーシンポジウム「ILC実現と地域社会の展望」は11日、奥州市水沢区佐倉河の市文化会館(Zホール)で開かれ、次世代の大型加速器・国際リニアコライダー(ILC)の国内建設候補地となっている北上山地(北上高地)周辺の自治体の首長、関係者がILC誘致を見据えたまちづくりビジョンなどに関して意見を述べ合った。

胆江、一関両地方の自治体がILC計画とまちづくりとの関わりを考える機会にしようと開き、市内外から約500人が参加。勝部修一関市長、小沢昌記奥州市長、青木幸保平泉町長、髙橋由一金ケ崎町長のほか、鈴木厚人県立大学長、佐々木淳県科学ILC推進室長を加えた6人がパネリストとなり、「わがまちの未来絵図とILC」をテーマに討議を進めた。コーディネーターは吉岡正和岩手大・東北大客員教授が務めた。

岩手日日新聞

ILC誘致に描くビジョンについて勝部一関市長は「1次産業とILCを連動させ、雇用の創出につなげたい。各国の研究者が食べるメニューの食材を全て地元で賄うことができれば地元農家にも大きな希望になる」と強調。ILCが実現しても計画通りに進まないことを懸念し、「計画の実行には細やかな配慮が必要。しっかりとした計画作りに取り組む。ILC実現のため、地元の熱意を中央の人に届けるために、情報発信の在り方を戦略的に取り組まなければいけない」と課題を指摘した。

青木平泉町長は「一関、奥州、平泉の3市町では世界農業遺産を目指す取り組みを始めたばかり。ILCで地域を変えるのではなく、先人たちが残してきた価値ある遺産を生かしたい。研究者が居住地を求めたときにも地元の景観に溶け込んでもらい、食文化を伝えていきたい」と歴史的価値のある文化を生かしたまちづくりの大切さを強調した。

髙橋金ケ崎町長は「ILCをどういうデザインで実現するのか行政と民間が役割分担を明確にして実現性の高いものにしたい。金ケ崎にはILCの技術開発と連動した開発技術センター的なものが欲しい。ILC実現で国際色豊かなまちの中で未来の子供が育ってほしい」と期待を込めた。

小沢奥州市長は同市ILCまちづくりビジョンの中身を紹介しながら多文化共生のまちづくりの必要性を強調。「自治体それぞれが多くの個性を伸ばし、それを実感できるまちづくりをしなければいけない。ILCがこの地域に必要という意識づくりと、日本国民に理解を示す努力をしなければいけない」と語った。