ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2016年05月13日

誘致で東北創生を 東経連ILCシンポ 仙台

岩手日日新聞

地域産業成長の好機

先進7カ国(G7)仙台財務相・中央銀行総裁会議開催記念シンポジウム「国際リニアコライダー(ILC)と東北の創造的復興」(東北経済連合会主催)は12日、仙台市内のホテルで開かれた。基調講演、パネルディスカッションを通じ、参加者が北上山地(北上高地)への次世代の大型加速器ILCの誘致をきっかけとした東北地方の地域づくりの在り方について考えた。

行政や民間企業など関係機関・団体から約300人が参加。東経連の高橋宏明会長が「今シンポが誘致実現と復興の一助となることを祈念する」とあいさつし、同会議推進協力委員会長の奥山恵美子仙台市長が激励した。

伊藤滋早稲田大特命教授は「国際リニアコライダーと新しい東北の創生」と題し基調講演。ILCの活用として、伊藤特命教授は「ILCの技術をさまざまな分野に広めていくことが重要だ」と指摘。「技術を社会に還元するためには、工学や医学、農学的な応用技術が必要になる。もし誘致が実現し、技術を応用できれば東北は変わる」とした。

パネルディスカッションのパネリストは、東北大大学院経済研究科教授の大滝精一氏と同大災害科学国際研究所副所長の奥村誠氏、同大大学院理学研究科准教授の佐貫智行氏、同大キャンパスデザイナーの小貫勅子氏、奥州市の千田精密工業取締役の千田ゆきえ氏。東経連の西山英作産業経済部長が進行役を務めた。

2032年ごろのILCの運用開始を前提に意見交換。建設期間の課題として佐貫氏は「北上にILCを造るにはどうしたらいいか詳細設計を進めている。運び込んだ機械を点検する検査拠点や製造拠点が近くにあると助かる。それが地域の産業化の種になると思う」、千田氏は産業化の視点から「どうすれば建設に関われるのかを、常にアンテナを高くし情報を集めることが参入のきっかけになる」と積極的な姿勢の必要性を強調した。

今何をすべきかについて大滝氏は「特定の大企業がやるという意識が強いが、地域企業が関わり、これを契機に成長のビジネスチャンスをつかむ。また、新興企業が地域に集まってくることは十分あり得る。自分の企業の成長戦略にどう位置付けるか非常に大事だ。成長戦略のサポート、誘導を東経連に期待する」と述べた。

西山部長は19日のG7のレセプションで、ジオラマを展示し誘致をアピールするほか、東北ILC推進協議会内に準備室を設置するため準備を進めていることも紹介した。