ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2016年02月27日

研究都市実現へ行動指針を明示(奥州市、ビジョン案示す)

胆江日日新聞

北上山地への国際リニアコライダー(ILC)誘致を見据えた奥州市の「ILCまちづくりビジョン」の素案がまとまり26日、市議会のILC誘致および国際科学技術研究圏域調査特別委員会(渡辺忠委員長、議長除く全議員26人で構成)に素案が示された。ILC誘致を契機として市民生活や地場産業などのさらなる向上のために期待できる取り組みを明示。対外的にも候補地の地元としての考えを示す資料として役立てる。本年度中の策定を目指し、近く市民意見を募る。
(児玉直人)

奥州市はILCを生かした長期的な将来像を示すため、同ビジョン策定委員会(亀卦川富夫会長)を組織。市民意見を吸い上げるワークショップを開催するなどして素案を練り上げた。
ビジョンの中心になるのが、市としての行動指針。「奥州から未来を創る」「時空を超えたつながり」「恵み豊かな自然・文化と共生」の将来像を実現するため、▽地域産業振興▽多文化共生の推進と快適な生活環境向上▽次代の人材を育成できる国際教育都市――の3分野ごとに方針を定めた。
地域産業振興では、JR水沢江刺駅周辺へのイノベーション(技術革新)拠点形成や、研究施設内に地元農産物を使用したレストラン・産直を設けるなどのアイデアが盛り込まれた。多文化共生と生活環境に関しては、医療や公共交通の利便性向上などを掲げた。人材育成面では、研究機関で働けるような専門性の高い学科を高校に新設できるよう働き掛けたり、外国人研究者らを講師に招いた寺子屋を開催したりする構想も示された。ILC計画がきっかけとなり策定したビジョンだが、市は市民生活や地域産業のさらなる発展を目指す市政運営の根本理念に立脚した内容と強調する。
今回のビジョンでは、基本的な指針を示し「期待される取り組み」を網羅した格好。あくまでアイデアの段階であり、実施時期や事業主体、場所、予算規模など具体的な部分は触れていない。国や世界の動向などILC誘致の進展状況に応じ、適切な対応が講じられるよう、基礎資料のような性格を持たせた。県や東北レベルでもILC関連の計画を検討しており、地元の考えとして同ビジョンを活用することも可能。候補地自治体の「やる気」を対外的に示す狙いもある。
市は近く、同ビジョンに対する市民意見を募るパブリック・コメント(意見公募)を実施。必要な修正などを加え、年度内の策定を目指す。