ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2015年09月03日

<岩手県議選>現代版村社会の創出を

◎問う探る~3学長に聞く(上)岩手県立大 鈴木厚人氏

岩手県議選は6日投開票される。東日本大震災からの復興、地方創生、産業振興、医療などをめぐる論戦は最終盤。岩手県の未来への針路はどうあるべきか。選択の機会に、3大学のトップに聞いた。(聞き手は盛岡総局・中村紳哉)

<地域住民が主体>
-地方創生が論点の一つになっています。
「高度成長を経て豊かになった一方で、機能的だが特徴なき近代化が進み、地域アイデンティティーがなくなる負の遺産を抱えた。少子高齢化や環境悪化が加わり、地方創生が必要になってきた」
-岩手に必要な地方創生は。
「岩手は長所が多い。全国に誇れる海や山、温泉、祭り、世界遺産。むしろ恵まれ過ぎているくらい。日本の村社会の良さは協調や協働が基盤の共同性で、それが地域創生のエネルギーとなる。岩手の長所を取り入れた『現代版村社会の創出』を目指すべきだ」
「進め方が課題。日本は市民が話し合いに参加する仕組みが弱い。地域創生の主体は人。単に住民説明会で意見を聞くのではなく、住民がまちづくりに最初から深く関わるようにしないと、50年、100年と続くコミュニティーは形成できない。地域住民と共同で行うことが大切だ」

河北新報

<若い力を生かせ>
-北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」は何をもたらしますか。
「世界の研究者は日本でやろうと言ってくれている。候補地は岩手、宮城両県にまたがり東北全体で取り組むべき巨大プロジェクト。東北のアクションプランを打ち出す必要がある。岩手県には研究施設の場所選定や研究者の受け入れ態勢整備が期待される」
「海外研究者の住環境は特別に考える必要はない。茨城県つくば市の研究学園都市では専用住宅を造った結果、地元の人と交流する機会がなく、新旧住民の区別ができた。地元に溶け込む環境をつくれば互いに同化し、岩手に日本でもなく外国でもない国ができる」
「外国研究者は10年も20年も岩手で暮らすわけではない。空き家をリフォームし、畳の部屋で日本らしい生活を味わってもらう方が喜ばれる。居住区の第1言語は日本語で十分。日本語を教えるボランティアの養成は必要になる」
-震災復興は途上です。今後、必要なことは。
「今が最も厳しい時期かもしれない。とにかく復興、と頑張ってきたが、時がたって今後どうしよう、と意識が変わってくる。マンネリ化せず、現場の問題は何かを常に意識しながら、復興を進めることが求められる」
「県立大生は教職員とともに被災地の支援活動に携わってきた。現在も意欲的にボランティアを続けている。被災者は学生との交流で良い刺激を受けていると聞く。若い力をどう生かすかもポイントだ」