ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2015年03月16日

ILC誘致へ「広域都市構想 早期に」(中央大・石川教授が指摘)

胆江日日新聞

国連防災会議・公開フォーラム(仙台)で
仙台市で開かれてい る第3回「国連防災世界会議」に合わせ、国際リニアコライダー(ILC)と国際学術研究圏域の将来像を議論する一般公開フォーラムが15日、同市青葉区の TKPガーデンシティ仙台で開かれた。中央大学理工学部の石川幹子教授は、基調講演の中で「ILCを迎える上での広域エリアの都市構想(ビジョン)がまだ 示されていない」と指摘。誘致実現後の理想像や思いをビジョンという形にして早急に見せるべきだと訴えた。
(児玉直人)

同防災会議会期中(14~18日)に実施される一般市民向けの「公開フォーラム」の一環として東北経済連合会が主催。会場には胆江地区をはじめとするILC誘致関係者や外国人市民ら約300人が詰め掛け、被災地復興や国際的多様性を意識したまちづくりの在り方を考えた。
石川教授は「これまで日本学術会議や仙台で昨年実施した講演会で、広域エリアの都市構想が存在していないと述べた。だが、この指摘がまだよく伝わっていな い」と主張。「ILCを迎えるためには、『自分たちはどんなビジョンを持っているか』を深く考えなければいけない。学生が自分の考えを論文にするのと同 様、志をビジョンという形にし、世界や政界に見せる作業をしなければ全く意味がない」と強調した。
岩手県奥州市水沢出身の政治家、後藤新平が壮 大なアイデアで都市計画などを展開し、「大風呂敷」とあだ名されたことを引用しながら「震災復興もILCも『大風呂敷』どころか『小さな風呂敷』さえ存在 しない。新平がこの状況を知ったら、怒りも嘆く気力さえも持たないだろう」と石川教授。岩手、宮城両県の経済、学術、市民、行政それぞれが連携した、 ILCの長期にわたる広域計画の早期策定を求めた。
同日はパネルディスカッションも行われ、「ILC誘致と新たな国際学術研究ゾーンを考える」をテーマに、研究者や企業関係者、海外出身者らが意見を交わした。
この中で東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了(さとる)准教授は「政府が正式にILC誘致を決断しておらず、事業主体が決まっていない現状ではあ るが、ILCを見据えたまちづくりはいろいろな所で検討しなくてはいけない。組織体制や予算、スケジュールをしっかり決め、取り組む時期に今はある」と主 張した。
県首席ILC推進監を兼務する県南広域振興局の佐々木淳副局長は聴講後、「ILCが歴史・文化を通じて未来の地域づくりを後押しする重 要なプロジェクトであるとあらためて認識した。まちづくりについては、誰かが行うのを待っているのではいけない。自らが地域のことをよく考え、大きな計画 につなげていくという姿勢が大切だ」と話していた。