ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2014年09月05日

ILC関連・国際会議 出迎える現場 腕の見せどころ

胆江日日新聞

水沢区で6日から9日にかけ、国際リニアコライダー(ILC)に関連した国際会議「ILDミーティング2014」が開かれる。訪れる研究者は80人余り。 このうち約半数が外国人だ。彼らが滞在するホテルでは、受け入れ準備が進む。日本人のみを対象にした通常の宴会や団体宿泊とは異なる対応も必要になる。 ILC誘致とそれに伴う国際研究都市を目指そうとしているだけに、ノウハウを積み重ねる絶好の機会になるかもしれない。
(児玉直人)

会議の主会場で、研究者の宿泊先となる水沢区東町の水沢グランドホテル。千葉恭義代表取締役(33)は「私もこの会議を成功させたいという思いを強く持っている。失礼な対応があっては『もう、奥州市には来たくない』と思われてしまう」と気を引き締める。
向かいのみずさわ北ホテルも研究者の宿泊先。菱谷和栄取締役総支配人(70)は「このような会議が今後も増えてほしい。社員にもいい意識付けができる機会になる」と話す。
同区佐倉河のプラザイン水沢は8日に開かれるバンケット(晩さん会)会場。研究者らがILC計画実現に向けた機運をさらに高め「共に頑張ろう」と誓い合う。
料理やさまざまな演出を通じ、その国らしさ、地域らしさをアピールできる。だが、多様な国々の人たちが出席する場だからこそ、普段とは違う注意が必要だとプラザイン水沢の堀内恵樹取締役支配人(50)は語る。
「例えば目の前で魚介類をさばく実演をしたとします。新鮮さを感じる人もいるかもしれないが、生き物の命を奪う場面を人に見せることを“ご法度”と考える 国や地域に住んでいる人がいるかもしれない。日本人が良かれと思ったことでも、相手を不愉快にさせることがあってはいけない」
宗教や信条によって異なる「食のタブー」もある。経験や知識がないと、つい見落としてしまいがちな対応、礼を失する振る舞いは意外と多い。
そんな中、今回の会議に関わるホテルに対し、さまざまな支援や助言をしているのが市国際交流協会だ。佐藤剛会長(59)は「大切なのは、歓迎と干渉をはき 違えないこと。つい『外国人が来るから何かしなくちゃ』となってしまいがちだが、それは間違い。必要なことはやらなければいけないし、逆に相手の望まない ことはしてはいけない」と強調する。
歓待面ばかりではなく、緊急時の備えも重要だ。同協会は万が一、研究者らに救急医療が必要な事態が生じた場合、同協会のボランティアスタッフを医療通訳と して県立胆沢病院に派遣する手はずも整えた。実際、ILCを核とする都市形成を考える上で、外国人研究者らの受け入れを想定した医療支援環境を構築するこ とは避けて通れない。
こうした数々の対応や気遣いは、外国人が大勢訪れるからと特別に行うものではない。私たちのごくありふれた日常生活に潤いを与え、豊かな社会づくりを進める上でも大切な要素であるかもしれない。