ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2012年08月16日

河北春秋(8月16日)

河北新報

難関のジグソーパズルの最後の一片がはまった感じだろうか。素粒子の中で、半世紀前に存在を予言されながら唯一確認されていなかった「ヒッグス粒子」と みられる物質が見つかった▼新粒子の研究をさらに進める施設が超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」だ。国際プロジェクトで世界に1カ所建設さ れる。岩手県が、県南部の北上山地への誘致を目指している

▼われわれには縁遠い施設に感じられる。だが、加速器の技術は電子顕微鏡や、 がんの診断に使われる陽電子放射断層撮影(PET)など幅広く使われているという▼東北の産学官でつくる推進協議会は、職員・研究者ら約1万人の研究都市 が形成され、約4兆3千億円の経済効果があると試算。東日本大震災の復興の象徴と位置付ける

▼国内では佐賀、福岡両県境の脊振山地も誘 致に名乗りを上げる。ただ、建設地をめぐる各国間協議が来年中にも始まるというのに、国の腰は重い。財政難の中、建設費約8700億円のうち約半分が立地 国負担となるのが障害になっている▼最終的に決断できるのは首相しかいまい。しかし、この国は、誰が来年首相でいるのかも見通せない体たらくだ。政局混乱 で未来の希望となる大事業を失うのはごめん被りたい。河北新報サイト