2011年1月18日

音楽界の AAA

 

10代の頃あれほど熱心に観ていたテレビの歌番組も、今ではすっかり観る機会が減ってしまった。ただ、年末の NHK 紅白歌合戦だけは毎年欠かさず観ることにしている。昨年も、“嵐”が紅白の司会をするということだけで大はしゃぎしている二人の娘と一緒に、「今年はこんな歌手が出てきたのか…」とか、「この歌手はまだ頑張ってるんだな…」などと考えながら、歌合戦を楽しんだ。その昨年の紅白で私が注目したのは、当協議会の英文略称と同じ名前の AAA(トリプル・エー)という男女7人組のグループ。因みに、当協議会の英文名称は、Advanced Accelerator Association Promoting Science & Technology で、略称がAAA(エー・エー・エー)協議会。

 当協議会が設立されたのは2008年6月。AAA 協議会の名付け親である T 大学の Y 先生がこの略称を提案する際に AAA と名のつく団体が他にないかと調べたところ、「米国自動車協会」とこの音楽グループの存在が分かったという。2005年9月にデビューしていた AAA(トリプル・エー)は、その頃から既に結構人気があったらしいが、当時の協議会事務局メンバーにこのグループを知る人はいなかったと記憶している。

 その AAA が紅白歌合戦に初出場する(因みに白組)ということで妙に嬉しい気持ちになり、彼・彼女らのパフォーマンスに見入ってしまったのだが、これがなかなか素晴らしいものであった。これまでなら、いくら彼らが素晴らしいパフォーマンスをしていても、それを多くの人たちに伝えるのは難しかったはずである。ところが紅白に出場すると、日本全国津々浦々の人々の目に止まる。多くの人が彼らの音楽を初めて聴き、中にはこれを機会にファンになってしまうこともあるだろう。NHK 紅白歌合戦は、世代を越えて音楽を共有し世の中に広く伝えるという大きな役割を果たしているのだと、改めて実感した。

 さて、こちらの AAA 協議会はどうだろう。一般の方にはほとんど知られていない「先端加速器」の開発により科学技術の飛躍と新しい世界の発見を目指して活動を展開している当協議会では、これまでに一昨年は仙台・広島・福岡で、昨年は東京・京都・名古屋で、“先端加速器科学技術推進シンポジウム”を開催し、累計1000名以上の方々にご参加頂き、「先端加速器」や「国際リニアコライダー」に関する理解を深めて頂いた。

 毎回シンポジウムを企画・運営しながら痛感するのは、「伝えることの難しさ」である。先端加速器が果たしている役割や社会への貢献について、講師の先生から出席者へはかなりうまく伝わっていることが事後のアンケート結果で明らかになった。これは実に嬉しいことなのだが、伝わらないのは協議会やシンポジウムの存在そのもの。インターネット、ツィッター、会員への案内、新聞への掲載、地元学校への周知等いろいろやってみるのだが、なかなか十分な成果が得られない。今年はぜひとも音楽界の AAA にあやかり、もしも「紅白科学技術推進活動合戦」があったら白組のトリを務められるよう、AAA 協議会の広報活動に知恵を絞って、社会に役立つ「加速器」のことを全国津々浦々の方々に知って頂けるようにしたいものである。

 

亀岡待卯