2010年6月11日

シンポジウム『誕生 宇宙と生命』

 

 去る6月3日、先端加速器科学技術推進シンポジウム2010 in 東京が、協議会特別会員の 東京家政大学との共催で同大学三木ホールにて開催された。『誕生 宇宙と生命』という テーマのもと、多摩六都科学館の高柳雄一館長に基調講演を、宇宙航空研究開発機構の 平林久名誉教授と黒谷明美准教授に『星と生き物たちの宇宙』と題する講演を、東京大学 素粒子物理国際研究センターの山下了准教授に『無から生まれた宇宙』と題する講演を 御願いした。

 シンポジウムのサブタイトルとなった、ポールゴーギャンの大作『我々は何処から来たのか、 我々は何者か、我々は何処へいくのか』を引き合いに、話は地球に誕生した生命の起源へ、 はたまた物質を構成する素粒子の起源を求めて宇宙の始まりへと及ぶ。その究極の謎解きに 登場するのが、国際リニアコライダーなる加速器なのだと訴え、一般の皆様にご理解を 得たいというのが主催者の願いであった。果たして、参加者160名のうち3分の2を占めた 東京家政大学の学生を中心とする女性の方々に、主催者の思いは届いただろうか。

 シンポジウム後のアンケート結果によれば、国際リニアコライダーについては、回答者 82名中 54名(66%)の方が「夢があり、実現して欲しい」と回答頂いたことを勘案すると、 所期の願いは叶えられたと言っても良いだろう。ただし、昨年11月に福岡で開催した前回 (参加者男女比率 4:1)に較べて、「わかりやすかった」が20ポイント減り、「難しかった」が 10ポイント増えた点は、今後の課題かも知れない。

 6月10日に開催された第8回大型プロジェクト研究部会において、東京理科大学大学院 坂本教授から、科学・技術の大型計画におけるプロジェクトマネージメントに関して、 『大型計画目標の価値をわかりやすく伝えること』、『社会環境変化に敏感であれ』との メッセージを頂いた。秋の空ほど移ろいやすいといわれる女心を攫むのは、恋の道ばかりでなく 存外難しい。協議会としても、先ずは東京家政大学のような、国際リニアコライダーに 共感を覚えて頂ける女性シンパを地道に増やす活動を続けていきたいものだ。

 

(馬画人)