2009年07月10日

「先端加速器科学技術推進シンポジウム 2009 in 広島」にて

 

去る7月4日、「先端加速器科学技術推進シンポジウム 2009 in 広島 宇宙の謎に挑む 日本の貢献」が、広島国際会議場(広島平和記念公園内)で開催された。 当日は、広島県内外から集まった老若男女約200名の参加者が、宇宙の謎の解明に取組んでいる第一線の研究者の講演に、熱心に耳を傾けていた。 「宇宙はどこまで解明できるのか」をテーマにしたパネルディスカッションでは、聴衆から寄せられたハイレベルな質問を題材にしたパネラー同志の掛け合いに、会場の雰囲気が盛り上がった。 当日頂いた質問の全てに回答できなかったので、講師に御願いして回答を作成頂き、順次ホームページに掲載しているので参照願いたい。 広島地区の参加者の知識と洞察力のレベルの高さが窺い知れる。

シンポジウムの翌日には、参加した中学1年生から、事務局宛にこんなメールを頂戴した。 『昨日はありがとうございました。シンポジウムはとても難しかったです。でも、僕は家先生のお話はとても分かりやすく面白かったです。すばるの事も全部面白かったです。そして、吉岡先生のビッグバンを再現する加速器の実物を見たいと思いました。それから、科学と平和の話もなんとなく分かりました。また、難しかったけどこのようなシンポジウムに参加したいと思いました。ありがとうございました。』(原文のママ)

望遠鏡や惑星探査機に較べると加速器は理解され難いのではと危惧していたが、シンポジウムを通じてこのように若者の理解と興味を得たことは、主催者の一員として嬉しい限りであり、また勇気付けられるものである。こちらこそ、御礼申し上げたい。

日本が宇宙や素粒子物理などの基礎科学の研究を続けられるのは、終戦後の経済復興と平和の維持に営々と努力された多くの先達のお蔭であり、平和の果実を次の世代に引き継いでいくのは我々世代の責務である。8月は、広島から長崎へ平和の祈りがリレーされる月である。夏の夜空を見上げて宇宙へと思いを馳せるだけでなく、平和のありがたみを忘れぬようにしたいものである。メールをくれた中学生が、いつの日か「日本のリニアコライダー国際研究所」で活躍していることを、夢見ながら。