岩手日報:風土計

2012年9月9日

開店休業のまま国会が終わり、永田町は与野党のリーダー選びが騒々しい。そんな中、岩手には残念なニュースがあった

▼与謝野馨前経済財政担当相が次期衆院選に立候補せず、引退する。与謝野氏といえば本県が候補地の一つとなっている超大型加速器・国際リニアコライダー(ILC)建設推進議連会長を長く務めた。政界で本県誘致の最大の理解者であり、応援団長でもある

▼国内に九州という別の候補地がありながら「岩手を応援する」と公言している。それは被災地を元気づけようとする考えもあったかもしれないが、何より地元の熱意を高く買ったからだろう

▼経済財政担当相だった昨年インタビューした。古代ギリシャの哲学者デモクリトスの原子論から最近話題のヒッグス粒子まで、何の資料も見ずに原子核物理の歴史をとうとうと説く。現職閣僚というより、少年の探求心を持ち続ける物理ファンの趣だった

▼筋金入りの財政再建論者として消費税増税の旗を振り、批判を浴びた。だがILCだけは歳出削減の対象外のようだった。「すぐお金にならなくても真理を究める営みの最先端を日本、岩手でやりたい」と熱っぽく語っていた

▼がん手術のため今は筆談で会話すると聞くが、引退後も政策提言は続けるという。岩手の応援団長の役目も引き続き担ってもらいたい。

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