ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2018年01月11日

<放射光とILC>18年、東北の加速器構想 重要局面に

河北新報

東北で誘致の機運が高まる二つの加速器関連構想が2018年、実現に向け重要局面に差し掛かる。産学官組織が仙台市に整備を目指す「次世代型放射光施設」は、文部科学省の審議会が近く必要性を提言する見通し。建設へ動きだすことが確実視される。岩手、宮城両県境の北上山地が有力候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」は、研究をリードする欧州各国と政府が構想を巡る協議を始めるかどうかが焦点となる。
物質中の電子の動き方を調べる放射光施設の新設を検討する文科省科学技術・学術審議会の小委員会は、1月中の会合で最終報告を示す。早期整備を求めた17年2月の中間まとめに沿った内容になる見込み。
文科省は報告を受け、整備方針を固めるとみられる。建設に当たっては、国と連携する民間パートナーを公募する方向だ。
産学連携組織の光科学イノベーションセンター(仙台市)と東北経済連合会、宮城県は17年5月、東北大青葉山新キャンパス(同)を拠点とする構想を文科省に提案した。整備に意欲を示すのは全国でこの1カ所のみ。建設費は約300億円で20年の運用開始を目指す。同センターは公募に応じる意向だ。
18年度政府予算案には初めて放射光施設の推進費2億3400万円が計上された。村井嘉浩宮城県知事は2月に先進地フランスの放射光施設を視察し、整備を見据えた準備を急ぐ。
宇宙誕生の謎を探るILCは、産学官でつくる東北ILC推進協議会が北上山地への誘致を目指す。政府が整備の可否を検討中。
研究者組織の国際将来加速器委員会は17年11月、加速器本体の建設費を8300億円から5000億円に削減する新計画案を了承。各国政府に出資を求める上で課題だった費用削減のめどが立った。
政府は計画を巡る米国との議論を16年5月に始めており、17年度にはコスト削減の共同研究に着手した。
研究者らが18年の重要日程に挙げるのは、政府と欧州各国の協議開始だ。計画に前向きな姿勢を示し、欧州で20年に始まる素粒子物理学の将来戦略にILCへの協力を盛り込んでもらう狙いもある。18年夏までに議論を始めることが不可欠とみている。
建設推進の超党派国会議員連盟は8~11日にフランスやドイツを訪問。国会議員や政府関係者に欧州側の考えを聞く。