ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2017年02月14日

被災3県と仙台市の予算案/3県の震災対応分2桁減

日刊建設通信新聞

仙台市は復興道路本格化でプラス】
東日本大震災の発生から間もなく6年を迎える中、甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の被災3県と仙台市の2017年度予算案が出そろった。3県とも復旧復興事業が進捗したことにより、震災対応分が2桁台のマイナスとなり、これに伴い一般会計も減少した。一方、仙台市は東部復興道路の本格化などにより震災対応予算がプラスに転じた。「復興・創生期間」の2年目にあたる17年度の予算編成状況をみる。
◆復興ふるさと振興予算を編成/岩手県
岩手県の17年度予算案は、第3期復興実施計画に基づく東日本大震災からの復興や、昨年8月末に東北の太平洋側に初めて上陸した台風10号による災害からの復旧・復興を最優先するとともに、「ラグビーワールドカップ2019釜石」の成功に向けた取り組み、国際リニアコライダー(ILC)などの科学技術振興に力を入れる『未来につなげる復興ふるさと振興予算』として編成した。
一般会計は9797億円で前年度に比べ8.1%減と、震災以降に編成した予算としては初めて1兆円を下回る。これは大震災関連の港湾高潮対策や災害公営住宅などの整備が進捗したため、震災対応分が24.0%減の3043億円となったことが要因。一方、通常分は台風10号の復旧事業などにより1.5%増となる。
◆震災復興計画の「再生期」総仕上げ/宮城県
宮城県の震災対応分は一般会計全体の31.1%に当たる3813億円で、10年度以降の累計は5兆5505億円にのぼる。中小企業経営安定資金等貸付金や河川等災害復旧費、医療施設復興支援費などの大幅な減額により、前年度比21.1%減となった。
投資的経費は、災害復旧事業が減少したため、前年度比16.7%減で、震災後では最小規模となる。一方で、土地改良や漁港、河川海岸などの通常公共事業の増加により、震災前に編成した11年度当初の3.5倍となる3746億円を確保する。
震災復興計画の「再生期」の総仕上げとして、18年度からの「発展期」につなげるため、復旧・復興の継続のほか、CLT(直交集成板)活用や海洋再生可能エネルギーの導入など新たな産業の創出に向けて重点的に配分している。
◆11重点プロジェクトに8209億を配分/福島県
福島県の17年度予算案は、復興・創生期間の2年目として、復興の土台を固める取り組みを進めるとともに、新しい福島の創造に向けてさらに一歩踏み出す編成を行った。
一般会計は1兆7183億円。前年度に比べ8.7%減少したものの、震災以降、6年連続で1兆5000億円を超えている。震災前の11年度は約9000億円だったことを考えると、高水準を維持している。総合計画である「福島新生プラン」に基づき11の重点プロジェクト646事業に8209億円を配分する。
一方で、除染基金の積み立てや災害復旧事業などが進んだことにより、復興・創生(震災対応)分は15.7%減の8750億円となる。普通建設事業費は復興・創生を加速化させるため3074億円を計上。前年度を4.4%下回るものの、ゆるやかな減少率にとどまる。
◆東北全体をけん引するまちづくりを/仙台市
仙台市の震災復興計画が終了しているものの、東部復興道路の本格化に伴い、一般会計における復旧復興事業費は前年度比7.9%増の302億円を計上した。
一方で、震災からの復旧復興の進捗に伴い、災害復旧事業費は前年度比49.1%減の19億円と大幅に減少した。公共施設の計画的な保全や更新を進めていくため、普通建設事業費は0.7%減の約722億円を計上。一般会計に占める割合は13.2%となる。
津波で被災した蒲生北部や東部沿岸地区再生のほか、市街地中心部にある定禅寺通周辺の活性化など、被災市町や東北全体をけん引するまちづくりに取り組む。