ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2016年01月22日

誘致実現「日本に良い変化」(米国領事、ILC候補地視察で水沢来訪)

胆江日日新聞

在札幌米国領事館のジャスティン・トール領事が21日、水沢区内を訪れ、素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)建設候補地の様子を視察。誘致活動の実情や地元住民の声などに耳を傾けた。トール領事は「ILCが実現すれば日本にとっても良い変化が起きると思う」と語った。(児玉直人)

同領事館は岩手、宮城、青森、秋田の4県と北海道を管轄。トール領事は、総務・経済・領事部担当として昨年8月に着任した。
管轄地域の実情を把握する中、岩手と宮城両県が誘致を目指すILC計画の話を耳にしたという。トール領事の出身地、カリフォルニア州には線形加速器を有する素粒子研究施設・SLAC(スラック)国立加速器研究所があり、「ILCがどのような施設になるのか、すぐにイメージできた」という。
今回、日本の担当補佐職員と共に初めて岩手を訪れたトール領事。県や市のILC担当職員らと共に国立天文台水沢VLBI観測所を見学した後、羽田地区センターを訪れ、佐藤建樹会長ら同地区振興会メンバーとの意見交換に臨んだ。
佐藤会長は「自然豊かな研究環境を提供できるのが一番の売り」とアピールする一方、「都市部の住民とは違い、外国人との交流経験が少ない。研究者やその家族との付き合いやおもてなしをどのようにしたらよいかが一番の心配」と述べた。
トール領事は「コミュニケーションと多様性という考え方は非常に重要。例えば今日の意見交換も女性の姿が少ない。多くの人たちの声を聴くような機会を持つことが必要だ」との考えを述べた。その上で「住民との交流を通じて、外国人は日本の暮らしや文化を学ぶことになる。『郷に入っては郷に従え』の精神でぜひいろいろ教えてあげてほしい」と呼び掛けた。
市国際交流協会の藤波大吾事務局員は、医療通訳スタッフの派遣事業などを紹介。トール領事は「このような通訳がいなければ、外国人は緊張しながら生活しなければいけないだろう」と話し、有意義な事業であると評価した。
意見交換後、取材に応じたトール領事は「ILCを迎えるためにはどうしたらよいか、自由に語り合うことができた。ILCの実現は、日本にいい変化をもたらすチャンス。今回の視察で感じたことを同僚たちにも報告したい」と述べていた。
国際プロジェクトとして進めるILC計画は、特にも米国や欧州諸国との連携が重要になってくる。一昨年公表された米国の素粒子物理将来戦略(通称・P5)では、ILC計画への強い支持が明記されている。日本の超党派国会議員で組織するILC議連は、米政府や上下両院議員関係者らと議論を深めるなど、国際協力体制の構築を進めている。