ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2015年08月28日

<岩手県議選>台湾便やILCに期待

河北新報

◎問う探る~県政課題(下)国際化

<定期路線見込む>
岩手から海外へ。空の玄関口が機能強化を図る。
花巻空港(花巻市)で2月、国際線用ターミナルの増築工事が始まった。出発カウンターを新設。到着ロビーの手荷物受取場や検疫、入管審査のスペースを拡張する。
国際定期路線の開設を見込み、来年3月に完成する。岩手県が就航を想定するのは、2014年4月に定期チャーター便の運航が始まった台湾線だ。
岩手に宿泊した外国人観光客数の推移は表の通り。東日本大震災で一時激減したが、徐々に回復。14年の外国人宿泊者数のうち、約4万5000人が台湾客で全体の約6割を占めた。県観光課は「台北-花巻の定期チャーター便の運航が回復に大きく寄与している」と説明する。
海外客の多くが世界遺産「平泉の文化遺産」を訪れる。平泉町の中尊寺門前でレストランや免税店を経営する平泉観光レストセンターの小野寺邦夫会長は「多言語の看板やインターネット環境の整備に取り組んでいる。受け入れ態勢が誘客に結び付く」と話す。
6月には達増拓也知事が台湾を訪れ、航空会社幹部に定期便化を要請した。県空港課の箱石知義課長は「前向きな回答を得られた。なんとか来年には実現させたい」と意気込む。

<官民一丸で準備>
空港の南に広がる北上山地。ここを候補地とした巨大プロジェクトへの期待も膨らむ。
超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」。全長31~50キロの地下トンネルに直線形の加速器を設け、電子と陽電子を衝突させ宇宙の起源を探る。
実現すれば総建設費は1兆円超。国内の経済効果は建設から20年で約4兆4600億円、25万5000人の雇用を生む。海外の研究者と家族ら数千人が県内で暮らし、国内外からの視察も見込まれる。岩手は「国際研究都市」に変貌する。
研究者組織のILC戦略会議が候補地に北上山地を選んで2年。政府の誘致判断は2017~18年になる見通し。県はILCを活用した産業振興、研究者の子どもの教育環境などの検討に入っている。
受け入れ態勢の整備とともに、岩手の歴史や文化を世界に強力に発信し、誘致へつなげる-。経済界を中心に期待は大きく、達増知事に政治的リーダーシップを求める声は少なくない。
盛岡商工会議所は昨年9月、外国人研究者がなじめる地域づくりなどを盛り込んだ提言書を策定した。谷村邦久会頭は「新産業創出や人口減少を防ぐ波及効果が考えられる。県は具体像を示しながら、官民一丸のグローバルな都市づくりを進めてほしい」と話す。