ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2014年11月20日

東北に加速器施設「ILC」を 産業・雇用創出で復興期待

産経新聞

東北の産業構造や暮らしがガラリと変わるかもしれない。岩手県の北上山地に次世代加速器、国際リニアコライダー(ILC)の施設を誘致する計画が熱を帯びている。合言葉は「東北を科学の拠点に」。民間団体の援軍も現れ、誘致を呼びかけている。

この計画は電子と陽電子を衝突させ、宇宙が誕生したビッグバン直後に似た状態をつくるものだ。同県一関市ILC推進室の千葉敏紀室長は「宇宙や物質がどの ように生まれたかという謎の解明を目指す。医療から生命科学、環境に至るさまざまな分野で研究の応用が期待される」と話す。

北上山地は一関市と奥州市にまたがる地域が対象。このほか、福岡、佐賀両県にまたがる脊振(せふり)山地も誘致活動を展開している。

産学官で構成される東北ILC推進協議会が誘致の主体。民間では一般財団法人「連帯 東北・西南」(東京)が誘致のためウオーキング大会やシンポジウムを 岩手県で実施。代表理事の佐多保彦さんは「岩手スタート、東京ゴールのウオーキング大会を開いて誘致の意義を知ってもらうのはどうか」と自治体などに提案する。

同法人は東日本大震災後の被災地でボランティア活動を行っている。佐多さんは「ILCは将来の子供たちのもの。誘致されれば、世界の科学者が東北に移り住み、新しい産業や雇用が生まれ、東北の復興につながる」という思いを抱く。

計画では地中に全長30キロの施設を建設。建設費は8300億円、稼働すれば30年間で4・3兆円の波及効果が見込まれる大型プロジェクトだ。文部科学省の有識者会議で検討され、政府が平成28年にも日本誘致の是非を判断し最終候補地を選定する-との見通し。

「中国も候補地とされるが現状は日本が有力。ぜひ北上に誘致したい」(千葉さん)。一関市は22日に研究者の講演会「東北の未来を切り拓くILC」を開くなど、機運を高めていく。