ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2014年08月24日

ILC計画 人口減時代に光明 「一極集中の流れ変える」(増田前知事が意義強調)

胆江日日新聞

日本創成会議座長で前知事の増田寛也氏は23日、水沢区佐倉河の市文化会館(Zホール)で開かれた「先端加速器科学技術推進シンポジウム2014in東 北 ILCの日本実現に向けて」で講演。自身が同会議で取り組んだ人口減問題について「少子化と東京一極集中問題は、国を挙げて本気で取り組まなければ解 決できない」と指摘した上で、「ILCは特に東京一極集中の流れを切り替えるきっかけとなる。これからも地域の熱意を示してほしい」と強調した。
(児玉直人)

同シンポジウムは、いわてILC加速器科学推進会議(亀卦川富夫代表幹事)や国際経済調査会(高橋佑理事長)、先端加速器科学技術推進協議会(西岡喬会 長)などが主催。高エネルギー加速器研究機構(KEK)や胆江2市町、胆江日日新聞社などが後援した。一般市民や県内外の誘致関係者ら約1000人が聴講 した。
同日で、北上山地のILC国内候補地選定から丸1年を迎えた。この間、国際的な研究者組織による現地視察や文部科学省による有識者会議の設置などが進められ、胆江地区や一関市などを中心に市民や次代を担う子どもたちの理解醸成を狙う各種事業も繰り広げられてきた。
一方、日本学術会議が今年6月に開催した学術フォーラムでは、科学的意義に対する評価の一方で、厳しい財政状況や地域づくりをめぐる諸課題の中で、どうILC計画を位置づけ、国民理解をどう得ていくのかなど今後取り組むべき課題も数多く出された。
シンポジウムの講師に迎えられた3氏のうち、増田氏は少子化や東京一極集中などが招いた地方の人口減問題とILC誘致を絡めて持論を展開した。
人口減に関するさまざまなデータを示し、「若い世代が大学進学や就職のため、一番出生率の低い東京に出て行く傾向が続いている。世界の都市を見ても、東京 だけが特異な状況にある。若い人を地方から集めて労働力を確保するような構造は変えなくてはいけない」と指摘。その上でILC計画が、一極集中の流れを変 えるきっかけになると主張した。
増田氏は「誘致実現を目指す上で、地域の皆さんがもう一度ILCの意義を正確に理解する必要がある。政府間の交渉が進もうとする中、地域の熱意を示してほしい」と呼び掛けた。
このほか、国内の素粒子研究者界のリーダー的存在であるKEK機構長の鈴木厚人氏は、ILCの科学的、社会的な意義について解説。「南極大陸に世界各国の 基地があるように、ILCの周辺にも世界中の研究所が集まるような形になっていくべきだ。普通の国際都市とは違う都市になる」と訴えた。東京大学素粒子物 理国際研究センター准教授の山下了氏は、ILC計画の現状と今後の見通し、素粒子研究を支える技術などを紹介した。