ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2014年08月14日

「検討しない」「未定」が過半数 一関市内と近隣の企業 市民は地元発展に期待 ILC関連産業参入

岩手日日新聞

国内候補地に北上山地(北上高地)が選ばれている次世代の大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」関連産業への参入について、一関市と近隣では否 定的な企業と未定とする企業の割合が、検討しているとする企業の割合を上回っていることが分かった。ILC関連産業への参入は、一関市が実施した次期市総 合計画(2016~25年度)の企業を対象にしたアンケート項目に盛り込まれており、半数以上が「参入しない方向で検討」「参入しない」「未定」と回答。 市では多様な産業が活性化し雇用創出につながる機会とみて周知を図っていく考え。

アンケートは6月20日~7月4日、市民と中高生、企業の3区分で実施。まちづくりのほかにILCについて質問項目を盛り込み、市として市民のILCに対する意識を初めて聴く機会になった。

企業アンケートは同市、平泉町、陸前高田市、宮城県の気仙沼市と登米市、栗原市に立地する従業員20人以上の規模の企業から抽出した100社を対象に実 施。54社が回答し、回答率は54%。市民へのアンケートは、18歳以上に無作為抽出方式で4500人が対象。1708人から回答があり、回答率は37・ 9%。中高生アンケートは市内の中学3年生、高校2年生の900人を対象に実施。898人が回答した(回答率99・7%)。

企業アンケートで、ILC関連産業への参入について「未定」と答えた企業は29・6%で最も多く、次いで「参入する方向で検討」27・8%、「参入した い」18・5%、「参入しない」14・8%、「参入しない方向で検討」9・3%の順。この結果、参入を検討している企業の割合が46・3%だったのに対 し、参入に否定的だった企業割合は24・1%だった。

「参入したい」と「参入する方向で検討」と答えた企業のうち、参入分野について「現時点ではどの分野に参入できるか分からないがチャンスがあれば参入し たい」と答えたのは64%で半数以上を占め、具体的には「トンネル掘削等土木関連」の16%、「加速器関連」8%、「関連グッズ販売」4%などが続く。

「参入しない」「参入しない方向で検討」と答えた企業のうち、参入しない理由について大部分の76・9%が「ILCに関心がないため」と回答。「よく分からない」は15・4%だったことから、理解が十分進んでいないことが分かった。

一方でILCの実現で地域に期待することとして、企業アンケートでは「地元産業の発展」が50%、市民アンケートでも地元産業の発展が40・8%で最も多く、中高生アンケートは「地域の国際化」が41・4%で多かった。

市企画調整課では「ILCが実現すると直接的な研究施設のほか、関連する技術を生かした産業が生まれる。このほか、宿泊業や医療分野など既存の多様な産業も活性化するので、さらに理解を深められるように情報提供とPRに努めたい」としている。