ILC PROJECT [ 国際リニアコライダー計画 ]

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2014年06月26日

ILCめぐり夢、課題(水沢で県政懇)

胆江日日新聞

岩手県は25日、水沢区大手町の奥州地区合同庁舎分庁舎で県政懇談会を開いた。北上山地への誘致が期待される素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)をめぐり達増拓也知事と住民らが意見交換し、英語教育の充実や官民の連携強化の必要性について認識を共有した。
「がんばろう!岩手」をテーマに開催。市民団体代表者や製造業の従業員、中学生ら6人が達増知事や県職員4人と懇談し、ILC誘致の実現に向けて意見を出し合った。
昨春の設立以降、科学関連の講演会や実験講座など各種活動に取り組む岩手理系女子育成研究会の川村庸子会長(62)は「ILCの研究機関で海外の研究者と 共に活躍できる人材を育成したい」と述べた上、英語教育を強化する必要性を強調。達増知事もコミュニケーション力を高めるためにも中学高校の英語教育に工 夫が必要との認識を示した。
外国人市民ら有志12人で組織するILCサポート委員会のビル・ルイス委員長(45)は「ILCは科学の進歩や東日本大震災からの復興につながる」とし、「奥州市や県、東北全体の教育にとって大きなプラスになる」と主張した。
前沢区の製造業デジアイズの千田浩昭生産技術部長(52)は「太陽光発電パネルの台を作っており、ILC計画にも携われる」。同区内に工場を構える岩手東 京ワイヤー製作所の市川晃司生産グループ課長(36)も「ILCの装置の一部に超電導線が使われる。自社の超電導制御の加工技術を生かしたい」と述べ、 ILC関連の事業参画に期待感を示した。
達増知事は「ILC建設は最終的に決定しておらず、関連事業をどう展開するか決めにくいところもあるが、あれもできる、これもできるという産業が地域にあれば最終決定を促す好材料にもなる」と指摘した。
これに対し、市川課長は「具体的なスケジュールなどが示されなければ企業側は動きにくい。そこが決まるとより現実的な対応も可能になる」などと提言し、情報交換など官民の連携強化を促した。
市立水沢中3年の今野亜純さん(15)は「同年代の人にもILCにもっと興味を持ってほしい。将来はできればILC関連の仕事に就きたい」。アナウンサー としてILCの良さを伝えたいと夢を語った一関市立大原中3年の熊谷日和さん(14)は、「ILCが実現し国際化するには英語力が必要。ILCの実現に貢 献できるよう、今できることをこなしたい」と話した。
懇談会には県南広域振興局の遠藤達雄局長や佐々木淳副局長兼首席ILC推進監ら県職員4人 も同席。達増知事は懇談会の冒頭、「ILCは東日本大震災からの復興の象徴であり、県内建設に向けての取り組みは科学や技術のレベルアップや国際化にもつ ながる。皆さんの意見を県の政策に役立てたい」とあいさつした。