実現へ意見交わす 奥州〜ILCシンポ アピールも満場採択

2013年3月10日

岩手日日新聞

「国際リニアコライダー(ILC)シンポジウムinおうしゅう」(奥州市、市国際リニアコライダー推進連絡協議会主催)は9日、同市江刺区大通りの江刺 体育文化会館で開かれた。市民ら約500人が来場。基調講演でILC国際共同設計チームアジアディレクターの横谷馨氏は「ILCを中心にどういう施設、産 業が集まるかが一番肝心な点」と指摘した上で、日本政府が国内誘致を表明すれば「日本にできるのは間違いない」と述べた。北上山地(北上高地)への建設実 現を目指すアピールも満場一致で採択した。

開会行事に続いて横谷氏が「ILCができたら?」と題して基調講演。名誉教授を務める茨城県つくば市の高エネル ギー加速器研究機構(KEK)のほか、スイス・ジュネーブの欧州原子核研究機構「CERN(セルン)」を紹介しながらILCの建設意義、研究所規模などを 説明した。

ILC研究所について横谷氏は「常駐の研究者のほかにも多くのビジターが来る。国際的なコミュニティーも必要になる。カギはILCだけでなく、それを中 心にどういう施設、産業が集まるか。セルンは最初は小さく、必要に応じて大きくなったが、ILCは最初から相当大きなものをつくらなければならない。計画 をうまく作らないとさまざまな点で差が生じる」と指摘した。

今後の展開については「今一番の問題は政府がお金を出せるかどうか。(出すことが)できれば日本にできることは間違いない」と言い切った。

後半のパネルディスカッションでは、江刺青年会議所の菊池敏幸直前理事長が進行役となり、地元高校生、製造業関係者、佐藤剛市国際交流協会長、小沢昌記市長、大平尚県首席ILC推進監の5人が「ILCでこんな奥州市を創りたい!」をテーマに意見や提言を出し合った。

このうち千田精密工業(本社同市前沢区)取締役の千田ゆきえさんは「半導体や自動車で培ってきた日本の技術は素晴らしいものがある。ILCを日本の力でつくるのは夢。ものづくりの底力を世界に見せつけたい」と意気込みを示した。

また、水沢高2年の軍司啓宏君も地元誘致に期待感を示した上で「地域の盛り上げが足りない。個人的には科学の盛んな都市に発展させたいと思っている。楽しみながら科学を勉強できるような活動が必要」と地元の機運醸成を訴えていた。