ILC誘致 5.4兆円経済効果も〜花巻商議所研修会

2012年5月30日

岩手日日新聞

県南局副局長が講演

本県が建設候補地になっている国際リニアコライダー(ILC)の誘致に向けて「ILCに関する研修会」(花巻商工会議所主催)が28日夕、花巻市大通りのホテルグランシェール花巻で開かれた。会員ら約70人が出席。県南広域振興局副局長兼政策地域支援部政策推進室の大平尚首席ILC推進監の講演などを通して、ILC計画の内容や誘致に伴う県内への経済効果などに理解を深めた。

 大平首席推進監は、スイスのジュネーブ近郊にある世界最大規模の素粒子物理学研究所、欧州原子核研究機構(CERN)を引き合いに出し、「ILCは世界に一つだけ建設する衝突型粒子加速器。本県の北上山地(高地)のほか、米国のシカゴ近郊、ジュネーブのCERN、福岡、佐賀両県にまたがる背振山地などが候補地」と切り出した。

 ILC建設に求められる条件として▽全長31~50キロの直線にトンネルや地下大空洞を造ることができる▽人工振動がなく、活断層もない▽電力供給や(交通などの)アクセスが良い-などを挙げて「『日本でやる』と言えば、かなり有力」と述べた。

 誘致した場合の地域に与えるメリットについて「研究者とその家族、関連業者などを含めると1万人のスモールタウンと約5・4兆円の経済効果が生まれる見通し」と説明。

 北上高地に誘致することが、東日本大震災から東北が復興する希望のエンジン(原動力)につながると強調しながら、「ILCを核にした東北復興のグランドデザインを6月末までに策定し、13年度予算を見据え、国に強力な要望活動を展開していく」と語った。岩手日々新聞サイト